毎年この季節になると思い出すことばがある。
どっどど どどうど どどうど どどう
ああまいりんごも吹きとばせ
すっぱいりんごも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
宮沢賢治の、有名な「風の又三郎」の冒頭の文章だ。
又三郎は九月一日に、谷川の岸の小さな小学校に風のようにあらわれ、また風のように去っていく
のだ。その本は十二歳だった私をたちまち魅了した。
大人になっても、引越しをしても、その一冊は忘れなかった。
いま手元にあるのは1967年発行の、あかね書房版だ。
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