2011年9月2日金曜日

風の又三郎

毎年この季節になると思い出すことばがある。


どっどど どどうど どどうど どどう

ああまいりんごも吹きとばせ

すっぱいりんごも吹きとばせ

どっどど どどうど どどうど どどう


宮沢賢治の、有名な「風の又三郎」の冒頭の文章だ。

又三郎は九月一日に、谷川の岸の小さな小学校に風のようにあらわれ、また風のように去っていく

のだ。その本は十二歳だった私をたちまち魅了した。

大人になっても、引越しをしても、その一冊は忘れなかった。

いま手元にあるのは1967年発行の、あかね書房版だ。




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