ながい闇をぬけて
舟は 青い川面を すべってゆく
と
遠くに 白い丘が みえてきた
小さな花も草も 霜をまとったよう
丘の上には 幾人ものひとが ならんでいて
女のひとだろうか 男のひとだろうか
老人だろうか まだ子どもだろうか
みな きよらかな
透き通るような ほほえみをうかべ
たたずんでいる
ながい衣の裾は かすかな風にも
揺らぐことは ない
ああ
ここが 浄土という ところなのだ
あの 人たちにくらべ
わたしは なんと なまなましく
醜いことだろう
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