2012年9月16日日曜日

風の又三郎

また この季節がめぐって来た 

  どっどど どどうど どどうど どどう
  
  ああまいりんごも吹きとばせ

  すっぱいりんごも吹きとばせ

  どっどど どどうど どどうど どどう

風の又三郎の冒頭の文章

又三郎は 九月一日 谷川の岸の小さな学校に 

風のようにあらわれ そして 去っていく

小学生のとき この本に出会った私は 

たちまち 魅了された

何度 読み返したことだろう

眼を閉じると 髪はさわさわと波立ち

胸は どきどきと 高鳴った

たかい空 風のにおいに 秋の訪れを感じた


いつまで 暑さがつづくのか

空を見上げても 又三郎は まだ やって来ない

だが本だけは 本棚の中に しっかりと

存在を 示している

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